ドリーム小説
【キス】





と姜維。
喧嘩していたのが嘘みたいに毎日、仲良く過ごしている。
元に戻ったと言うべきか?

昼になれば、は姜維を呼びに行き一緒に昼餉をとる。
仲直りした二人に周囲は良かったねと笑う…一部除いて…

「な、聞いていいか、姜維」

「なんですか?馬超殿」

姜維の仕事場にまたも馬超が押しかけてきた。

と仲直りしたんだってな」

「そうですよ」

「それだけ?」

「それだけって、なんですか?」

「………」

馬超の目は明らかに呆れている。
軽く自分の髪を掻き舌打ちをする馬超。

「なぁ、と付き合ってんだろ?」

「え!?あ、いや、な、んで、あ」

一瞬にして顔中真っ赤にする姜維。
それが答えだと確信する馬超。

「ふっ。そうか。やっぱりな〜」

呆れていた目から、面白い獲物を見つけたという目に変わる。

「いいね〜前に言ったとおりになったよな〜」

「あ、あの馬超殿」

のことを気になりはじめたきっかけは馬超と趙雲の会話からだ。
ほんの少し前なのに、恋愛などにまったく興味のなかった自分。
そんな自分に二人は、を薦めてきた。
薦めるというか、姜維の好きな子ってのはだと思っていたと。

まさか、今、まさに二人の思い通りになっているとは…

「報告なしってのは悲しいな〜姜維君よ」

「べ、別に報告もなにも…特に変わったことはないですし…以前と変わりませんし」

「は?」

「だから、仲直りしただけで」

「告ったろ?お前」

「…し、しましたけど。馬超殿、どこでそれを」

「あ〜それは別にいいんだよ」

二、三、馬超は手を振る。

「別にって」

もしかして、あの場面を馬超に覗かれていたのか?
確かにあそこは城の廊下なので誰が見ていても可笑しくはない。
告白する気などはなかったので、今更ながら場所を選んでおかなったのを後悔する。

「んで、なにもないわけ?」

「別にないですよ」

「な、いつも何してるわけ?」

「なんですか、もう!」

「いいから答えろって」

「…えっと。だから、昼は一緒に食べて休憩時間もたまに話すくらいで」

「本当に前と変わらないのな……すっげー呆れた」

「なんでですか!」

馬超の目は再び変わる。可哀相なものを見る目に…

「な?お前さ〜仮にもと付き合ってんだろ?なのに何もなしってのはどーよ?
可愛い彼女に何かしてあげたいとか思わないわけ?休みの日にはってはりきったりしないわけ?」

「あーえーと」

彼氏として何もしてないことに気づく。
仲直りしたことに安心して落ち着いてしまったから。

「まさかの奴もそれで納得してるわけじゃないだろうな」

「そ、それはどうか知りませんけど」

「お前、次の非番はいつだ?」

「えっと…」

「パッと答えろ、阿呆」

パチンと姜維の額を叩く馬超。
叩かれた額をさすりながら姜維は口を尖らせ恨めしそうに馬超を見る。

「いいじゃないですか、もう〜」

「ふっ、あははははっ。もっと楽しい話が聞けると思ったんだけどな」

「からかわないでくださいよ」

「ま、頑張んな〜」

馬超はまたも姜維の額を叩き、笑いながら部屋から出て行った。

「もう、馬超殿は〜」

だが、姜維のその顔は嫌がってはない。
少し前なら子ども扱いされたと機嫌を悪くしてしまったが、今ではさほど気にならなくなった。

「きょーい」



馬超が出て行ったすぐ後にが顔を出した。

「あれ、もうそんな時間?」

「ん〜まだ少し早いけどね。暇だったし来ちゃった」

「しょうがないなぁ」

苦笑するもその顔には嬉しさが混じる。
は座っている姜維の背に飛びついた。

「っと。、重たい」

「なにを〜女の子に向かってそれは言っちゃぁいけない言葉だぞ〜」

「あはっ。ごめん、ごめん」

「それにさ、もう少し喜んでくれてもいいと思うわけ」

に抱きつかれて?」

「そ、ドキドキものだぞ、普通は」

「うーん。そうだなぁ〜あんまドキドキしないなぁ」

姜維はくすくす笑いながら、仕事を再開する。
別にが背にいても邪魔にはならないらしい。

「さらりと言った。酷い、姜維〜」

「ごめん、ごめん」

「いーもんねー邪魔しちゃる」

は腕を前に伸ばし、姜維が手に持つ書物を奪う。

。ダメだよ」

「ふーんだ」

そのまま後ろへと書物を投げた。

「あ、

姜維は重心を後ろにし、首だけで振り返り書物の行方を確認する。
書物は出入り口付近にまで飛んでいる。

「あ〜ぁ」

「姜維が悪いの」

「僕が?もう〜」

姜維は立ち上がり書物を取りに行こうかと思ったが、止める。
そのまま重心をずらしにもたれる。

「わ、姜維。重い」

「あははは。そうだね、僕は重いよ。より大きいし」

「だからって、支えられないって〜」

「いーよ。別に支えてくれなくても」

「うわぁ!」

はぺたんと座り込んでしまい、そのまま膝の上には姜維の頭が乗っかった。

「姜維〜」

がアレを投げちゃって仕事にならないからね。少し休憩」

「もうすぐお昼なのに?」

「そ。だって仕事できないからね」

「誰かに見られたら怒られるよ?」

「丞相に見られたら、特にね」

「じゃ、仕事しなきゃ。この後お昼食べれないよ」

「そうだね。じゃあ仕事しようかな」

本当はもっとこのままでいたいけど。
いつ誰がやってくるかわからないし。
姜維は身体を起こす。



「ん?」

身体を起こした時にちょうどの顔が近くにあったから姜維はそのまま軽く口付ける。

「………」

「へへ」

「いきなりとは卑怯なり」

は頬を染め、軽く姜維を睨む。

「予告するのって格好悪いでしょ?」

「そうだけど〜」

ニコっと笑む姜維にの方が照れる。
姜維ってこんなんだったっけ?

「少し前の僕ならできなかっただろうけど、余裕ができたみたいだからね」

「そうなの?」

「そうなの」

そしてもう一度口付ける。

。お昼食べに行こうか?」

「え、だってまだ仕事が」

姜維は立ち上がって、書物を拾い机の上に置いた。
その手でに手を差し出す。

「少し早いけど、たまにはいいでしょ」

「うん」

も姜維の手を取る。
二人並んで歩き出す。

「そうだ、。今度の非番の日どこか遊びに行こうよ」

「本当?行く!」

「じゃあ、約束」

「うん」



人に言われたからってわけじゃないが
やはり彼女の喜ぶ顔が見たいから。次の休みにどこかへ行こう。








姜維は文机で正座して仕事をしているようです。
05/01/31
12/05/13再UP