生生流転




ドリーム小説
「た、大変だーアニキ!!9時だーーー」

突然アラーム音が聞こえたと思ったらガンジュの手下が叫びだした。

「何ィ!9時!?まずい!カモン、ボニーちゃん!」

ガンジュが口笛を鳴らすとあのでかいイノシシが一護の背後から姿を現した。

「ん!?」

一護の頭上を越えたと思ったらそのままガンジュに激突し、彼は数メートル先までまた飛んだ。

「よく転がる人だね、あの人…」

「…な…」

「フ…やるなボニーちゃん。だが今日は時間がねェ。急いで俺を乗せてくれ!」

「ま、待てコラ!逃げんのか!!」

ガンジュはボニーの背から叫ぶ。

「誰が逃げるか、このタンポポ!!テメーとの決着はまた今度つけてやらぁ!
それまで大人しく待ってやがれ!綿毛みてーにフワフワ飛んで逃げんじゃねーぞ!!」

「ふざけんな!そりゃ、こっちの!」

ガンジュに向けて言い放とうとするが、彼の手下たちが通り過ぎた際にできた砂埃を吸ってしまい言えなかった。

「…行っちゃったね…」

「…災難だったな。かける言葉もない…」

石田はポンと一護の肩に手を置いた。

「ちくしょーーー何なんだ、あいつはァッ!!?」

一護は気が治まらず空に向かって叫んだ。

「あ〜月もあるんだね、尸魂界って…」





#11





一晩空け、たちは出発の準備を終えてすでに外に出ていた。

「大丈夫かな、ジ丹坊さん…傷はなんとか塞がったけど…」

「体のデカイ奴は体力がある。多少のことなら大丈夫だ」

「そうだね。あんなに大きくて力持ちなんだもん。きっと大丈夫だね」

4人が見つめる先にはジ丹坊が寝ている。
茶渡が言うとおり鼾を掻いてぐっすり寝ているぐらいだ大丈夫だろう。

「それにしても、これから会いに行く志波空鶴って何者なんだろう…夜一さんは詳しいことを全然教えてくれないし」

「門を潜らずに瀞霊廷入る手段を唯一知っている人だよねぇ」

「おそらく名のある術者なんだ」

石田の言葉に織姫は手を合わせる。

「あ!きっと血統書のついている高級な種類の猫だよ!ペルシャとかアメリカンショートヘアーとかダルメシアンとか」

「…井上。夜一さんの知り合いだからと言って猫とは限らない。それにダルメシアンは犬だ!」

「そうだよ、織姫。猫じゃなくて犬かも知れないじゃん。
ラポニアン・ハーダーとかフィニッシュハウンドとかラフ・コリー、セント・バーナードかも〜」

「そうかな〜」

…人だとは思わないのか…」

「しかもあまり知らない犬ばかりだね・・・」

「えーそう?コリーとセント・バーナードぐらいは知ってるでしょ?
ラポニアン・ハーダーとフィニッシュハウンドは輸入じゃないと手に入らないけど〜」

そこまで犬が好きか、

「犬…」

「…いや、名前の印象からすると…きっとごつくて大男で侍のような感じだよ」

「いや、仙人のような老齢な達人だろ」

「んー高倉@さんみたいな…無口で渋いオジサマとか〜人付き合いが苦手だから居場所を教えないとか!」

「わかったー」

織姫は地面にぶつぶつ言いながら何かを描く。
それをたちは覗き込むが、さすが織姫と言うようなものが描かれている。

「できたー。えっと無口で猫耳の仙人風、マッチョ侍、犬の尻尾付!間違いない!」

「いや、なんの絵だかわからんが…」

「えーじゃあ槍とかもった痩せ型のお侍とか?」

「わかってないな、井上さん。マントをつけていなくちゃ」

「あぁ!残念」

「それにしても、遅いな黒崎」

「あたし呼んでこようか?」

「いや、僕が呼んでくる」

「あ。〜?」

石田が家の中へと入っていった。
が石田についていくのでもそれに続いた。

「さぁて!次の志波空鶴を考えなくちゃ」

「いや…考えなくていい」

織姫の絵をみて何やら固まってしまう茶渡だった。

「はぁ!?行かない?」

「行かないじゃない、先に行ってくれって言ってんだ」

「同じだって黒崎ー」

「俺は昨日のヤローとここで決着をつけてから行く!」

土間で胡坐を掻いてふんぞり返っている一護。
よほど昨日のことが頭から離れないのだろう。

「何言ってるんだ!ふざけてないで来い!」

石田は一護の袴をひっぱるが、一護は囲炉裏の縁に手をかけて動かない。

「はぁ…ー黒崎の足噛んでいいよー」

「ばっ!バカ!やめろ!!」

「んじゃ引っ張れ、

一護を動かそうとも参戦する。
袴を銜えて引っ張り始める。

「いやだ!いやだー!あいつに逃げたと思われるだろ!」

「思われろ!」

中々来ない一護に織姫も呼びに来る。

「ねぇねぇ。まだ出発しないの?」

「井上さん!このバカをここからはがすの手伝ってくれないか!?」

「だ、誰がバカだ!あいつが来たらちょちょいとやっつけてすぐ追いかけるから、先に」

言い終わる前に夜一が一護の鼻先を引っかいた。
朝っぱらから一護の絶叫が辺りにこだまする。

「頭に血が昇って当初の目的すら失念したか莫迦者め。
この旅にはルキアの命がかかっておる事!よもや忘れたわけではあるまいな!」

「………」

一護は夜一に背を向けて座る。

「奴とおぬしの意地の張り合いに割いてやる時間などない!わかったらさっさと仕度しろ」





長老の家を出て黙々と歩く5人と二匹。
よく晴れていてとても清々しい青空が広がっている。

「…なぁ。なんか随分村外れまで来ちまったみたいだけど…ホントにこっちであってんのか?」

「………」

「なーってば!」

一護の問いかけに石田が言い返す。

「うるさいな!長老さんに貰った地図ではたしかにこの辺なんだ。文句があるなら君が先頭を歩けばいいじゃないか!」

石田はその地図を一護に広げて見せる。

「イヤ別に文句はねえけどよ…」

「きっと志波空鶴さんは正体を秘密にしておきたいからこんなトコに住んでいるんだよ」

「残念ながらそれはないのぅ。単に奴の性質でな、こういう場所を好むのじゃよ」

一護の問いかけで全員足を止めてしまったが夜一が先頭に立ち再び歩き始める。
一護たちも歩き出す。

「案ずるな。奴は住む場所はコロコロ変えるが家だけはいつも同じものを作る。
儂が見れば一目でそれとわかるやつだ」

「一目でねぇ…」

「そうそう、一目でじゃぞ…」

さん…」

「ん?」

石田がの隣に並び小声で話しかけてきた。

「足は大丈夫かい?」

「うん、大丈夫。石田にまた包帯巻きなおしてもらったし」

軽くVサインをする

「我慢しないでの背に乗った方がいいんじゃないかい?」

「平気、平気」

「…ならばいいけど」

「どうした?お前ら」

一護が振り返るが、なんでもないと二人は答える。
そうしているうちに夜一が足を止める。

「おっ見えてきたぞ。あれじゃよ」

「…こ…」

「これは!!」

「うわっカッコいい〜」

「……む……」

「あーすごいね…」

「な?一目でわかるじゃろ?」

巨大な腕のオブジェが旗を持って立っている。
間にぽつんと煙突のようなものと家がある。
旗には志波空鶴と力強く書かれている。

(これは…一目でわかるとかどうとかいう以前の問題だ!)

(人気のないとこが好きとかいうのも多分ウソだ!あんな家建てちゃうから街中に住まわせてもらえないだけだ)

(絶対そうだ!)

「フッ…今回の旗持ちオブジェは人の腕か…中々良いデキじゃの」

((毎回モチーフ違うのか!アレ))

「ほれ、行くぞ」

「はーい!」

「…ん…」

「うぃーす」

夜一の後を織姫、茶渡、と続く。
だが一護と石田は躊躇している。

(あーーー今から僕たちあの恥ずかしい家に入るのか!)

(あんな家に入るとこ、誰にも見られたくねー)

「どうした、早く来ぬか」

「「はい…」」

「…おい、石田。入りたくねーのはわかるけど早く来いよ」

一護が早足で進み、石田もついていく。

「なんだよ、それ」

家に近づくにつれて石田はあることに気付く。

(何だ…あの煙突?家と比べて随分大きいな…しかも先端がふさいであるように見えるけど…)

旗持ちオブジェの側まで来たら、頭上から人の声がした。

「「待てぇい」」

そして二人の体格の良い男性が飛び降りて前に立ちふさがった。

「何者だ、きさまら!」

「奇っ怪ないでたちをしておるな!しかも一人は死神と見える!」

「怪しい奴らめ!この金彦と銀彦がきさまらを決して通しはせぬ!」

「去れ!さもなくばここで死ぬことになろう!」

「チッ…また門番かよ…、メンドくせえトコだな尸魂界ってのは…」

一護は残月の柄に手を伸ばす。
好き勝手言われてしまうが、あんたらも大差ないじゃないかとは思った。
織姫がの服をちょんと摘む。

ちゃん」

「ん?」

「あの人たちの腕もすごいよ?」

「…あーダメ。マッチョすぎて嫌」

「そうなの?ちゃんの基準厳しいなぁ…」

一触即発かと思われたのだが夜一が一護の足元から顔を出すと門番は態度を一転させた。

「「夜一殿〜!」」

だがおかげで何事もなく中へ入ることが許された。
ただ変わったつくりの家で、中に入ってすぐに階段が下へと続いていた。

「夜一殿とそのお供とはつゆ知らず!ご無礼をお許しくだされ!」

「よい。先んじて連絡を入れなかった儂にも非はある」

「はは!さすが偉大な方はお心が広い!」

階段を降りると一気に明るい場所に出た。

「こちらで少々お待ちを…」

障子があってその奥から金彦を呼ぶ音がした。

「は、はいただいま!」

金彦が障子を開けると夜一がするりと抜けて中へ進む。

「よう久しぶりじゃァねぇか、夜一」

部屋の奥にどっしりと構えた女性がいる。

「「「「「空鶴って女!」」」」」

朝方の想像を覆されてしまった。

「誰も男などとは言っておらん」

一護たちが声をあげたものだから女性、志波空鶴は眉を顰めた。

「なんだ?そのガキどもは…」

夜一は空鶴の前に座る。

「…実はな空鶴。今日はおぬしにたのみがあって来た」

「お前がウチ来る時は大概そうじゃねぇか…面倒事か」

「恐らくは」

「ハッ久しぶりだな、このやりとりも…いいぜ、話せよ。面倒事は大好きだぜ」

空鶴は不敵に笑んだ。








アニ鰤ネタが色々混ざっております〜
あと、私の趣味が夢主の趣味になっていますね。
05/11/12
12/03/20再UP