ドリーム小説
今日もとてもいい天気。
お日さま見ているとある人を思い出す。

ん?ある人?
ある人って、私の大好きな人。
前田利家様こと利さま。
本当は恐れ多いことなのかもしれないけど、私は利さまって呼ぶ。
利さまはそのお日さまみたいな笑顔で「おう」って答えてくれるんの。
私はそれがすごく嬉しい。
毎日お忙しい方だから、一日に一回、一目お姿を見られればラッキーな方。
お話できれば大ラッキー!





あ。利さま発見〜。
秀吉様とお話中だ。
じゃあ邪魔をしちゃ悪いよね。

お時間が空いたら話しかけてみよう。

私は秀吉様とおねね様のお世話になっている。
行く当てのない私を実の子どもみたいに可愛がってくれて。
秀吉様とお友だちと言う利さまとは秀吉様を通じて知り合えた。

「おう、!ちょうど良かった、これ持っていきな!」

「わっ!」

邪魔をしちゃ悪いと思って大人しく退散したつもりだったのに。
利さまには思いっきりばれていたようだ。
そしたら利さまは私に向かって蜜柑を一個放り投げた。

「甘くて美味いぜ」

「あ、ありがとうございます」

私はぺこりと頭を下げてその場を離れる。
利さまがニッと笑うと、私も自然に笑ってしまう。
利さまのそういうとこ、大好き。
いつも真正面に立ち向かう姿もカッコ良いと思うけど。
誰にでも変わらず笑顔を向けてくれるお兄ちゃんみたいなところが。

さっきも言ったけど、利さまの笑顔は本当お日さまを思い出させるよね。

「利さまはお兄ちゃん。って感じだけど、あんたらは馬鹿アニキって感じだもんねぇ」

利さまから貰った蜜柑を食べようと思ってやってきた縁側。
三馬鹿の馬鹿アニキ達が寛いでいた。
あ、三成は黙々と仕事中のようで、奥の部屋で筆を滑らせていた。

「誰が馬鹿アニキだって?」

「正則、三成、清正」

私が秀吉様とねね様に実の子どもみたいに接してもらえるように。
この3人もそう。
私よりも秀吉様とおねね様に対する想いは強いのかも。
この馬鹿兄貴を加えて、私の家族なのかもしれない。

「俺をこいつらと一緒にするな、馬鹿が」

三成にもしっかり聞こえていたようで、瞬時に反論された。

「何をー!頭でっかちー!」

「煩い」

正則の顔を押しのける清正。
三成と正則が揉めそうになると間に入るのはいつも清正だ。
その3人の中でも一番お兄ちゃん立場だよね。
けど、おねね様が絡むとやっぱり清正も馬鹿だし。
って言うか、揉めるなら一緒にいなきゃいいのに、結局三人で行動しているもんね、三馬鹿は。

私は清正と正則の間に座る。
利さまから貰った蜜柑の皮をむく。

「お。いいの持ってるじゃん。俺にもくれよ」

「い・や」

「なんだよ、ケチー」

「だって沢山ないもん。これ一個だけだもん。利さまに貰ったんだからダメ」

たまたま通りかかった時に、利さまがくださったものなんだもん。
いくら正則にだってあげないよ。

「相変わらずの前田殿馬鹿か、は」

清正に笑われた。
むぅ、失礼な。自分だっておねね様馬鹿のくせにー。

「けど、割って食うから問題ないだろ」

「あ!」

皮をむいた直後、ひょいと清正に蜜柑を取られた。

「ほら、仲良く分けろといつもおねね様に言われるだろう?」

清正はあっさり蜜柑を4等分に割ってしまった。
ご丁寧に正則と三成に蜜柑を分けている。

「あー!もうー!清正の馬鹿!」

文句を言っている間に蜜柑は三馬鹿に食べられてしまった。
残ったのは私の分だけ。
って言うか、三成もこういう時あっさり食うんだね。

「せっかく利さまにもらったのにぃ」

お前、前田様に餌付けされてんのか?いつも何かしら貰って食ってるだろ?」

「別に餌付けなんかされてないもん」

でも清正達にはそう見えるようだ。

「子犬が尻尾振ってるように見えるのだろうな、前田様には」

「三成、ひどい!誰が子犬だ!」

「喚く姿など子犬そっくりだな」

鼻で笑われたような、呆れられたような。

「子犬か?猫の方がよくないか?」

「いや、鳥だろう。なんか南国の喋る鳥だ。こいつそんな感じ」

「うわ〜三成だけならまだしも、清正にも正則にも言われたー!」

特に正則に言われるなんて屈辱的だ。
自分だってニワトリみたいなくせに!

「お?なんだなんだ?相変わらず賑やかだな、お前ら」

「利さま!」

呵呵と笑いながら利さまがやってきた。
恥かしいな、阿呆なやり取りを見られていたかと思うとさ。

「なんの話で盛り上がっていたんだ?」

「こいつが子犬みたいに前田様に餌付けをされているって話ですよ」

「違うだろ。猫だ」

「喧しい鳥だって!」

こいつら言いたい放題利さまの前で〜

「別に餌付けをしているつもりはねぇが。どれもこれも可愛いじゃねぇか。に似合いだな」

うっ・・・・。
利さま、反則だよ本当。
三成達のからかいが、利さまの一言でチャラになってしまう自分は出て来てしまうから。

「ま。子犬扱いじゃないが・・・・暇なら俺と散歩でも行くか?」

「は、はい!行きます!」

「んじゃ、お前ら。借りていくぞ〜」

どうぞどうぞ。なんて清正達の声が聞こえる。
三成なんかは「鎖と首輪を用意しましょうか?」なんて言うし。
でもいいもん。子犬扱いされたって。
利さまに嫌われなきゃ、私は平気だ。
と言うより、三成たちのあれも「いつものこと」だしね。

でも、餓鬼の三馬鹿を見ている所為で、利さまが数倍カッコよく見えるもんね。
うん。毎回何か利さまに惚れ直しちゃうよ。





【一日一回、恋をしよう。】








10/05/01
19/12/27再UP