意地っ張りな君と頑固者の君。




ドリーム小説
建業にて。

「んーやっぱ成都に比べるとこっちの方は華やかだね」



「でも私は成都も好きだよ。街の人たち良い人たちだし、何よりまだまだこれからって感じするし」



「お土産何がいいかな〜星彩と月英さんと・・・・馬超と姜維と馬岱君にも!」



「食べ物ってわけにはいかないよねぇ・・・・・ねぇ、平君」

、拙者を無視するな!」

自分の前をふらふらわき見しながら歩くに関平が声をあげる。
は気にした様子はなく話を続ける。

「別に無視なんかしてないよ?私も平君に尋ねたじゃん、お土産何が良いかな?って」

「そんなものはどうでもいい」

「良くないよ」

「良いのだ。早く帰るぞ」

「えー!折角、関羽さんの了解得たのに〜」

関平はぐずるの腕を引いて来た道を戻り始める。

「ちょ、ちょっと!もう少しいいじゃん」

「ダメだ。拙者たちは遊びに来たわけではないのだ」

重くでかい斬馬刀を得物にするだけあって関平の力はとても強い。
が留まろうと足を止めても簡単に足は出てしまう。

「関羽さんは良いって言った!だからもう少しだけ見せてよ〜」

「ダメだ。我がまま言うな、

「平君が固いのよ!少しぐらい平気!・・・・あ!あー待って、止まって平君!」

?」

さっきとは違うので思わず関平も足を止める。
は関平から離れてある店の前に止まる。

「可愛い〜・・・・・ね!これ、星彩へのお土産にしよう!私も色違いの買おうっと」

飾られた髪飾り。
色違いのものがいくつか並んでいる。

「星彩は緑がいいかな?私は紅いのがいいなぁ・・・・・ね、平君どう思う?」

が振り返ると関平は苛々した様子で拱手している。

。そんなのはどうでもいい。早く戻るぞ」

「そんなものって何よ!自分だって星彩に何か土産をとか思ってるでしょ」

「お、思ってない!拙者たちは遊びに来たわけじゃないのだ」

「そうだね、関羽さんはそうだよね。でも私は遊びに来たの」

!」

ここは孫呉の土地。
その中で政治の中心地でもある建業。
そこに関羽が劉備の使いでやってきたのだ。
関羽だけじゃない、孔明と護衛に趙雲と関平をつけて。
は成都以外の街も見てみたいと劉備に頼んで同行させてもらった。
彼女一人じゃないから大丈夫だろうと。
最初は国同士の小難しいやり取りがあり、は黙って大人しくしていた。
数日間我慢し続けたあと、ようやく区切りがついたので関羽と孔明に頼んで街の見物に来た。
それがの一番の目的だ。
それに関羽たちだけでなく、孫呉の周瑜や呂蒙たちにも許可してもらったので文句はないはずだ。

でも、関平は遊びじゃないと連れ戻そうとする。

関羽が関平にについてあげなさいと言うので関平は渋々きたと言う感じだ。
にすればそれは面白くないわけで。

「あまり我がまま言うと、拙者は一人で戻るぞ」

「戻れば?どーせ平君は孫呉の武将さんたちと手合わせしたいとかって思ってるだろうし」

好きにすれば?とは関平に背を向ける。

「な!べ、別に拙者は!」

図星です。
買い物なんかよりも、正直歴戦の武将たちに手合わせしてもらいたいってのが本音。

「関平の武芸馬鹿!」

!」

は舌を出して駆け出してしまった。

!あ・・・・」

関平の前を荷馬車が通ったために追いかけれなかった。
の姿はすでに見えなくなっている。

「・・・・・か、勝手にしろ!拙者は知らぬからな!」

身体を反転させ歩き出す関平だった。
一方は立ち止まって歩いてきた方向を睨みつけている。

「平君のバーカ!追いかけても来ないんだから!何よ、ちょっとぐらいいいじゃん」

普段から修行、修行の関平。
滅多に一緒に行動する事がない。
どちらかと言えば星彩と一緒にいる姿の方が多い。

向こうは幼馴染で長い付き合い。
とは数年程度。
決して短い年数ではないが、やはりその倍はある星彩との長さには敵わない。

「いいもん。一人で楽しんでやるんだから!」

「一人なの?じゃあ俺らと遊ばない?」

「え?」



***




「関平?随分早いじゃないか」

「あ、趙雲殿・・・・・いえ・・・・・」

城に戻ると趙雲が甘寧など呉の武将たちと談笑している所に出くわした。

「成都とは随分違うだろ?まだゆっくりしてきても良かったのだぞ」

「はぁ」

「あれ、お前と一緒にいたあの嬢ちゃんはどうした?」

「え・・・・は・・・・その」

「はぐれたのか?殿はあちこち見たいと行っていたからな」

喧嘩して置いてきましたとは言えない関平。
でもここは比較的治安も良い方だから安全だろうと関平は思った。
だが、甘寧の顔が少し曇った。

「一人はやばくないか?」

「何かあるのですか?」

「おぅ、最近よ。この辺りで人攫いが起きててよ。足もつかませない頭のいい連中でな」

それらが堂々と孫呉の地で悪行を重ねているのが、最近の孫権の悩みの種だと言う。

「アンタの昔の仲間じゃないの?」

隣で凌統が皮肉る。

「なわけねーだろ。一緒にすんな」

「あーそう。でも、そういうわけでさ。そいつら良家の娘を狙ったりするんだよね」

少しでも綺麗な格好をしていれば狙われる可能性大だ。

「そ、そんな。は・・・・・・」

「今頃簀巻きにされてっかもな」

関平の顔が見る見るうちに青くなる。
そして彼女の名前を叫びながら走り去った。

「うぉーすげーな」

「アンタね、脅かしすぎだっての・・・・」

「あ、あのお二人とも?誠の話なのですよね?」

「おぅ。少し前の話だ」

「は?」

甘寧はニシシと笑う。
凌統は溜め息をつきながらも趙雲にすまないと軽く手を上げる。

「先日、俺たちでちゃんと捕まえましたから。なので今の所比較的安全なんですよ」

要は二人が関平をからかっただけのようだ。
趙雲は何故そこまでするのだろうと呆れてしまう。
その視線に気付く凌統。

「いや、あの子が随分寂しがっていたようなんでね」

「関平って奴が鈍いとか色々言ってたしな」

「そうですか・・・・・殿も天邪鬼な面がありますからね。素直になればいいものを・・・・」

他国の人たちまで巻き込んであの二人は・・・・
趙雲は感謝しつつも苦笑してしまうのだった。



***



「あ、あの!本当にいいです!私もう帰りますから!」

「だって一人で楽しむとか言っていただろう?俺らも一緒に楽しませてよ」

の腕を掴む男。
突然現れをどこかへ連れて行こうとする男たち。
そんなに治安の悪い場所だとは思えないのに、は断り続けるもののどうして良いかわからない。

「さっき一緒にいた兄ちゃんは帰っちゃったしな」

「平君・・・・・・」

そんな事を言われての表情が暗くなる。
フッと力が抜ける
その勢いで男はニヤッと笑って歩き出す。

「あ・・・・」

引っ張られて、足がもつれそうになるが男たちは足を止めない。
それどころか、にはここがどこら辺なのか検討もつかない。
人気のない場所へとだけは気付くが逃げれない。

(どう、どうしよう・・・・)

こんな所で襲われれば悲鳴をあげても聞こえないような気がする。

「平君・・・・・」

でもこんな結果を招いたのは自分の所為だ。
はキュッと口を強く結び男たちから逃げようと走り出す。
まさか、ここに来て逃げられるとは思わなかったのだろう。
を掴んでいた手があっさりと離れる。
だが、すぐさま追いかけてくる。
きっと彼らは自信が目当てと言うより金目のものが目当てなのだろう。
だから追いかけてくるのだ。

「はぁ・・・・・・あ!」

走りなれない道で足がもつれて転びそうになる。
ココで転んだら再び彼らに捕まってしまう。
だが、よろける
もう駄目だと思った時に、を受け止める者がいた。

「・・・・・・?」

「大丈夫か!?

「・・・・・平・・・君」

「お前たち、彼女に何をした!お前たちがここらを荒らしまわる賊か!」

助けに入った関平を見てたじろぐ男たち。
自分より若い関平でも彼は戦場を駆ける武将。
強い目で見られて男たちは散っていく。

「・・・・・ふぅ。良かった、無事で・・・・・すまなかった、を一人にして」

俯きながらも答える

「別に、平君の所為じゃないもん。あんな奴ら・・・・・適当にあしらって逃げ切れたもん」

・・・・」

「わ、私のことなんか放っておけばいいのに」

「そうも行かぬだろう・・・・甘寧殿たちから話を聞いて慌てて戻ったのだぞ」

「でも、でも・・・・・」

「怖い思いをさせた、すまぬ」

「怖くなんかないもん・・・・怖くなんか・・・・・一人で・・・・・」



心配で戻ってみたのに、この態度。
無事だったから良いものの、何かあってからは遅いのに・・・・礼ぐらい言ってもいいじゃないか。
関平は自分にも非はあるとは思ってもの態度が面白くない。

「こわくなんか、ないもん・・・・・馬鹿関平」

は関平の胸板を叩き始める。

!」

強く何度も叩かれるも、ソレは最初だけで段々弱々しくなってくる。
途中から聞こえるすすり泣く声。
が泣いているのだと気づいて関平はを抱きしめる。

「すまぬ。拙者が悪かった」

「平君・・・・・ご、ごめんなさい・・・・・怖かった・・・よぉ」

声をあげてなくの背中を優しく摩る関平。

「今日は無理だが、明日、もう一度街に行こう。今度はちゃんと拙者も付き合う」

そして皆への土産を沢山買っていこう。

「あと、あの髪飾り。拙者からに贈りたい・・・・・きっとに似合うから」








キリ番リクでした。
05/12/21
19/12/22再UP