特に揉めているってわけではないけど、もうずっと話し込んでいる。
もうすぐ戦でもあるのだろうかという不安が過ぎる。

「まだかなぁ〜」

こんな時間は嫌い。
皆、忙しそうで構ってくれないから。

趙雲も、馬超も、姜維も。
三人だけではない、劉備も孔明も関羽も張飛も皆だ。
文官武官それってのソレは、唯一この少女だけは関係のない代物だ。

だから、一人だけで暇でしょうがない。

皆が集まっている部屋の扉が見える中庭で座っていた。
あそこの扉が開いて皆が出てくるのを待っているのだ。

「にゃ〜」

「ん?君も暇なの?じゃあ私と一緒に皆を待ってようか?」

どこから入り込んだのだろうか?
白い猫が少女の側にやってくる。
少女に体をこすり付けて構ってくれと言ってるようだ。

「あはは、甘えてるの?君は」

一人じゃなくなったので、少し安心した。

一人は嫌いだ。

たった一人でこの異世界に来てしまった。
どうする事もできずにただ、毎日を過ごしていた。
そんな中で出会った人たちがいたから今ではそこそこ頑張れる。

でも、不意に訪れる一人の時間は嫌いだ。

仕方ない事だが、この時間だけは、自分がこの国の者ではないと感じてしまう。
まぁ、そんな事を劉備らが聞けば怒るかもしれない。
彼らは少女をいたく気に入り可愛がっていたから。

「でも淋しいモノは淋しいものね」

猫を膝の上に乗せて優しく背を撫でてあげる。

「早く終わらないかなぁ、つまらないね?ニャンコ?」

猫はいつの間にか少女の膝の上で寝てしまっている。
これでは動くに動けない。

「特別だぞ」

軽く笑った後、気持ち良さそうに寝ている猫を見て欠伸が出てしまった。

「天気いいから、私も眠くなっちゃった・・・」

いい具合に背には樹がある。
それにもたれて寝てしまえ。

少女は目を閉じ夢の中に入っていった・・・





「やっと終わったぜ、同じことの繰り返しで嫌になる。こんなんなら戦をしていた方が楽だ」

そう言って、扉を開け、一番に出てきたのは馬超。
長い軍議で肩が凝ったようだ。

「そう言われるな。戦はない方がいいのですから」

馬超の隣で苦笑する趙雲。

「例えだよ、例え。さて、これからどうする?手合わせでもするか?」

「それもいいですね。私もじっとしていたので身体を動かしたいですよ」

「じゃあ、決まりだな」

二人は鍛錬所に向おうとした。
だが、樹の根元でこくりこくりと頭が揺れている少女が目に付いた。

「あいつ、あんな所で寝てやがる」

「あはは、本当ですね。気持ち良さそうですね、猫を膝に乗せてますよ」

「呑気な奴だな」

「そう言えば、私たちが軍議を終えるといつもあそこで待ってますね」

「じゃあ、今日は待ちくたびれ寝ちまったのか」

気持ち良さそうに寝ている少女に微笑ましく思い互いに表情を緩めてしまう。

「どうする?」

「そうですね・・・いつまでもあのままってのは」

「仕方ねェ、起こしてやるか」

「乱暴は駄目ですよ、馬超殿」

「するか!そんな事」

目が覚めた時、少女はどんな顔をするだろう?
待っていた人たちがやっと現れたのだから。





趙雲と馬超は軽口を言い合いながら少女の下へ走っていくのだった。









そうだなぁ、あえて名前変換はしてませんが、少女は軍議の時間はつまらんって話。

03/06/10
19/12/22再UP