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「よ!ちょっと手合わせしてくれねぇか」 「いいですよ。私もちょうど一汗かきたいと思っていたところですから」 馬超の申し出に趙雲は快く引き受けた。 二人とも得物が同じ槍なのだが使い方がまったく違うのでお互いいい刺激になっているようだ。 試合形式なのだが、中身は戦場と同じように真剣そのもの。 だからと言って、この二人が試合で手を抜いているわけではないが。 「はっ!」 「せやぁ!」 性格はまったく違えど、歳も近い二人はよく一緒に過ごす事が多い。 そこに姜維が混ざることもあるし。 劉備ら三兄弟と似たような感じかもしれない。 「はぁ、馬超殿。あの回転はちょっと」 趙雲が馬超に負けてしまったらしい。 「なんだよ、そんなこと言ってアンタちゃんと防いでるじゃないか」 「よく出来ますね、あのような事が」 よく馬超は槍を地面に突き刺しそれを軸にしぐるりと回って蹴りを入れる。 着地した瞬間に槍を前方に振りかざし衝撃波を放つのだ。 乱戦向きなので戦場ではいいのだが。 「案外簡単だぜ、やってみれば」 「遠慮します」 「別にいいけどな。まだやれるか?」 「いけますよ」 馬超はニッと笑って槍を2、3振り回した。 「今度は負けたほうは昼飯奢りな」 「いいですよ。次は負けませんよ」 趙雲も乗り気で槍を再び構える。 「それじゃあ、始めるか」 馬超の言葉が合図となり、再び始まった真剣勝負。 中身はしょうもないけど。 鍛錬所の出入り口で、二人の様子を楽しそうに見てるものがいた。 である。 は暇なのでふらふらしていた。 たまたま通りかかった鍛錬所の中から趙雲と馬超が楽しそうに話をしているのが聞こえた。 普段から一緒にいるから、なんだか羨ましい。 男の友情って奴を見せ付けられているようで。 「きっと、戦場とかでも信頼しきってるんだろうな、あの二人は」 外にいる自分の様子に気づく事もなさそうなので、しばらくずっと眺めていたのだ。 「友だち、仲間・・・でもなんか姜維君も合わせて兄弟って感じもするし」 どっちにしても自分の知らない空間があるのかも知れない。 「男友達ってあんなんかな?」 何度も何度も試合して、でもどっちも勝ち負けにはあまりこだわってない様で。 「本当、楽しそう」 思わず、笑みを零してしまう。 その時、馬超の槍が宙を舞った。 「くそ!俺の負けかよ」 「では、今日の昼食は馬超殿の奢りですね」 「わかったよ、奢るよ。俺が言い出したわけだし」 負けたことに悔しいのか、奢る事が悔しいのかわからないが馬超は頭を掻きまくっている。 「もう一度やりますか?次も私が勝つと思いますけど」 「なに〜今度は俺が勝つに決まってるだろ」 「ぷっ」 「「?」」 趙雲と馬超は声のしたほうを見ると、が座ってこっちを見ているではないか。 しかも何故か笑いを堪えている。 「なんだよ、」 「殿、声をかけてくださればいいのに」 ずっと見られていたのかと思うと、なんだが照れ臭い。 二人はの下へやってくる。 「ごめんなさい。でも二人とも楽しそうで声かけずらくてさ」 「楽しそうって・・・」 「一応真剣なのですけど」 趙雲は苦笑してしまう。 「でも楽しそうに見えたんです。いいなぁ、仲良しさんで」 「「はぁ?」」 「あはっははっはは」 の言ってる意味が余り二人には通じてないようだ。 「カッコいいですね。二人とも」 が満面の笑みを浮かべてそう言うので二人の頬は少し紅くなる。 ハッと互いの顔を見て気づいた。 (殿のこと、馬超殿もきっと) (コイツ絶対、のことが) ちょっと火花が散った感じがする。 「おし、一勝負いこうぜ」 「良いですよ。今度も私が勝ちますからね」 「ぬかせ!俺が続けて負けるかよ!」 二人とも槍を振り回しながら、試合場へと戻っていく。 「やっぱり楽しそうじゃん」 事の真意など知らないはニコニコしながら二人の後姿を見ている。 すると、くるりと振り返る二人。 「!ちゃんと見てろよ。俺が勝つところを」 「何を言われるか。殿、私が勝つ瞬間を見ていてくださいね」 「は、はぁ?」 は首を傾げてしまう。 だが、二人が真剣な表情になったのを見て。 「ま、いっか」 などと呟き、二人の試合を見ているのだった。 結果? 結果は・・・ さぁ、どっちが勝ったのでしょうね。 03/04/02
19/12/22再UP
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