あはは、それでもね。




ドリーム小説
まだまだ時間はありますよ・・・





九月に入ると成都は段々涼しくなってきた。
昼間はまだ夏の残りと言う感じで暑いのだが、夕暮れ時は涼しくて過ごしやすい。

そんな中で趙雲とは成都の街を歩いていた。

「ほんと、急に涼しくなりますね」

「そうですね、秋が近づいてるって感じしますね」

殿、寒くないですか?大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ、丁度いい感じです」

「急な気温の変化で風邪でも引いたら大変ですし、十分に」

「趙雲さん、ストップ!大丈夫ですってば、そんな心配しなくても」

は心配性な趙雲に苦笑してしまう。
だが、趙雲は真剣そのものでまだ言い足りないようだ。

「そうは言いますが、殿は急に体調を崩されることが多いじゃないですか」

「あ、あれは〜たまたまです」

「たまたまでも、気をつけて欲しいのですよ」

少し口煩い趙雲には顔を背け街並みを楽しむことにした。
夕暮れ時はどこの時代もどこの世界も一緒らしい。
家々からは夕飯の準備だろう、煙が出ており、時折良い匂いがする。
店では値切りの時間らしく、多くの客で賑わっている場所もある。

殿、聞いてますか?もう、よそ見していると転びますよ」

「転びませんよ」

他の人間はあまり口煩く言うことがない。
馬超は好きにすれば?って感じで、姜維は最後にはには勝てず。
劉備らはもうこれでもかっ!ってくらいにを可愛がるから問題外。
逆に孔明のお小言は難しすぎてにはわからない。

なので、趙雲の説教・言葉が一番口煩く感じる。

は軽く舌を出す。

「そんな簡単に転びませんってば、趙雲さんは・・うわっ」

殿!」

転びはしなかったものの、前方から歩いてくる人とぶつかった。

「す、すびばせんでした」

はどうやら鼻を打ったらしい。
ぶつかった相手は怒りもせずに笑って許しくれた。

殿、言ってるそばからそれですか?」

「うぅ〜趙雲さんがお小言ばっかり言うから」

「私の所為ですか?酷いですね、誰も注意しないから私が代わりに言ってるのですよ」

「趙雲さんってばうちのおじいちゃんみたい」

「お、おじいちゃん!?」

兄、父を通り越してじいさんときたもんだ。
趙雲はかなりショックらしい。
わかりやすく言えば、自分は黄忠レベルかと・・・

まだ24なのに・・・
めっちゃ現役で女性からの黄色い声援は毎日絶える事もない好青年なのに(笑)

「だって、ウチのじいちゃんも人の顔見るといつもあーしなさい、こーしなさい、って煩くて」

言ったの方は悪いとは思ってないらしい。

「あーもう、いいです。私は年寄りなんですね、もう殿には口煩く良いませよ」

趙雲はがっくり肩を落とす。
逆に年寄りから怒られそうだ。
わしらはそんなに弱々しくないぞと。

「本当ですか?」

は小言がなくなったと喜んでしまう。

「もう言いませんよ。と言うより、殿の事は私は知りませんからね」

落ち込みは通り越して拗ねてしまった趙雲。

「あー趙雲さんってばー」

「知りませんよ、もう」

スタスタ歩き出す趙雲。
まぁ、爺さんと言われて喜ぶ奴はいないだろうな。
喜ぶのは初孫に可愛く『おじいちゃん』って言われた時ぐらいだろう。

「趙雲さん、歩くの速い〜」

すでに趙雲は歩きではなく、早足だ。

でもさ、結局・・・





「ふぎゃっ!」





あらら・・・さん、今度はダイレクトに転びましたね。





殿!・・・貴女は何を・・・あ、いえ・・・」





転んだに慌てて駆け寄る趙雲。
助け起こして、やはり注意の言葉が出そうになって慌てて口を閉じる。

「いったーい、うわ、膝すりむいた」

「・・・」

「趙雲さん?」

趙雲ははぁ・・・っと深く息を吐く。

「大丈夫ですか?なんで何も無いところで転ぶのですか・・・」

「わからないですね、あはは」

「しょうがない方だ、貴女は本当に・・・」

言葉とは逆に笑っている趙雲。
もつられて笑う。

「やっぱり、趙雲さんに何か言ってもらわないと駄目みたいですね、私ってば」

立ち上がって服の埃を払う

「ダメダメ人間ですね、私」

「そ、そんなことはないですよ。確かに私が口煩く言うから」

「でも、それは私のためですよね?」

「え、ま、まぁ・・・そうですけど」

はくすくすと笑う。
趙雲はなんだかバツが悪い。

「私が転んだり、風邪引いて寝てたりすると趙雲さんはお小言言うけど、結局面倒見てくれるし」

殿〜」

「やっぱり、私のおじいちゃんと同じだ」

「は?」

「おじいちゃんも口煩く言うわりには、最後は私の味方なんですよ?私は一番おじいちゃんが好きでした」

なんと言うか・・・
趙雲にしてみれば複雑な気持ちでいっぱいな訳で。

は口煩く言う自分を自分の祖父に似てると言う。
でもそんな祖父が好きで・・・

「そ、それは喜んでいいのですか?なんかおじいさんと同じと言われても」

「さぁ、どうですかね?あはは」

「はぁ」

「趙雲さん」

「はい?」

「おんぶして下さい」

「は?」

「お・ん・ぶ」

思わずニ、三歩引いてしまう趙雲。

「な、なんでですか」

「膝、擦り剥いちゃいました」

はそう言って膝を趙雲に見せる。
趙雲はそれを思い出して、持っていた布で傷を覆った。

「城に戻ったらちゃんと手当てしましょうね」

「はい・・・だから、おんぶしてください」

「なんでですか・・・」

「怪我しちゃたのですよ?小さい頃はそんな時はおじいちゃんがよくおんぶして家まで連れて行ってくれたのですよ」

「私は貴女の祖父ではないのですけど・・・」

「まぁ、いいから、いいから」

まだ祖父扱いかと、趙雲は渋るも、の方が勝手に趙雲の背に飛び乗った。

「うわっ!ちょ、殿!」

「あはは、高いですな〜」

「しょうがないですね、今回だけですからね」

趙雲はちゃんとを背負いなおして歩き出した。

「えへへ、楽チンですね〜」

「それはそうでしょうが・・・」

「おじいちゃん好きでしたよ、私」

「わかりましたから、あまりおじいさんと連呼しないで下さいよ。本気で落ち込みますから」

「趙雲さんも好きなんですよ?」

「あーそうですか・・・」

おいおい、反応ナシですか。
でもは可笑しくてしょうがない。
だから、別にその続きは期待してはいないし。

「は〜今夜の夕餉はなんでしょうね〜」

「そうですね・・・」

「明日は何しようかな〜」

「・・・・」

「明日もこんな天気だと良いですけど」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・え?・・・」

趙雲は突然立ち止まる。

「あ、え、そ、その殿?先ほどなんて仰いました?」

「明日もこんな天気だと」

「その前です」

「明日は何しようかな」

「もっとです」

「今夜の夕餉は」

殿!」

「あはははは、趙雲さんおかしい〜」

今頃気づいたのかとは声を出して笑い出す。
背負われているので趙雲の顔は見ることができない。
きっと彼は顔を真っ赤にしているだろう。
現に今、耳は赤い・・・

殿!」

「趙雲さんが好きなんですよ、私」

「・・・え、えーと」

「あはは、趙雲さん好きですよ〜」

「あ、あの殿」

「好き好きなんですよ〜」

「ぐっ、殿・・・からかってますか?私の事」

「いえ、全然。めっちゃ真剣です」

「貴女って人は・・・」

は少し腕に力を込め、ぎゅっと趙雲に抱きつく。

「趙雲さん、こんなダメダメな私ですけど、よろしくお願いします」

「・・・・」

冗談と想われても、今はいい気がする。
でも、趙雲からは笑みが零れていた。

「貴女みたいな人は私が見てないと駄目のようですね、本当に」

「みたいです」

「時間はまだまだありますよ、ちゃんと貴女の事は面倒みますよ。私が責任もって」

「よろしくお願いします、趙雲さん」

「こちらこそ、殿」




+++おまけ***

「なんだ、知らなかったのか?アンタ・・・」

に告られちゃって内心大喜びだった趙雲。
馬超に嬉しそうに話したら、彼の反応は薄かった。
が趙雲を好きだなんて見てればわかるしと・・・

「そ、そうなのですか?」

「そりゃ、そうだろ?毎日口煩く言われても、結局アンタにくっついてるじゃん」

「あ、えーと・・・」

「気づいてなかったの、アンダだけだよ」

「ま、おめでとさんでした。つーわけでこれは俺からの贈り物」

馬超は趙雲に自分の仕事を押し付けさっさと言ってしまった。
馬超からすれば『惚気てんじゃねーよ』って意味も込めてあるらしい・・・







キリ番リクでした。
趙雲をじいちゃん呼ばわりw
03/09/16
19/12/22再UP