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3年魏組張遼先生
今日の授業は外でしましょうと張遼が言った。 きょとんとするの手を引いて、厩舎までやってくる。 馬に乗っていくほど遠い所なのだろうか? 張遼は一頭の馬を引いてきて、颯爽と跨る。 「さ、殿。手を貸しますからどうぞ」 「え?の、乗るの?」 「大丈夫ですよ、さぁ」 手を出してくれる張遼、少し恥ずかしいなぁと思いつつも、その手を取る。 「しょっと…」 すぐ後ろに張遼がいる。 なんか恥ずかしい。 いつもは向かい合っている事が多かったから。 「さぁ、行きますぞ。しっかり掴まってくだされ」 それでも、張遼はが怖がらないようにと少しゆっくりめに走らせてくれている。 実はこうやって馬に乗るのは初めてだった。 一人では勿論乗れないが、普段遠出をする時は馬車だったから。 憧れはあったが、少し怖かったし。 「ど、どこまで行くの?遼さん」 街を抜けて森へと入る。 賑やかな都から一転して静かな森。 どこへ行くのか聴いても張遼はすぐですからと、教えてくれない。 さらに森を抜けた所に出た。 一面白いもので広がっている。 「さぁ、着きましたよ」 張遼は先に降りて、に手を貸しを降ろす。 「うわ…すごい」 それはの腰まであり、小さな花を咲かせていた。 「花?遼さん、これなんて花?」 腰を少し曲げて花を見つめは張遼に問う。 「さぁ?知らない花ですね」 「えー遼さんにも知らないものあったの?教師失格〜」 「おや、酷いですね。名もなき花かもしれませんのに」 と張遼は笑う。 「そっか、名もなき花か……いいな、それ」 目を細めてちょんと花をつつく。 その姿に張遼の目も穏やかだ。 「遼さん。授業って何するの?前に約束したって」 「覚えていませんか?まぁあれから随分経ちますからね。私も曖昧な事しか言いませんでしたし」 それは以前、外で勉強しようってが言い出したとき。 あの時は急な話だったから、城の中庭を中心に秋の草花を探して歩いた。 菊の話をしたときだ。 「あ……しましたね、そんな話。そっか、あの時かぁ」 あれから、一年も経とうとしてる。 張遼に教えてもらうようになったのは去年の夏前。 一年は経った。 「早いですね、一年経っちゃいましたね」 「そうですな…最初は私が人に物を教えるなどできるのか不安でしたが」 「あれで?」 中々のスパルタ式だったように思えるが? 「殿は、すぐに話を脱線させるし、与えた課題は夏侯惇殿にやらせるし」 「あ〜そんな事もありましたねぇ…」 夏侯惇がやったとわかった時には、夏侯惇は大量の執務を張遼に押し付けられた。 も罰としてもう一度やり直しさせられた。 「本当、呆れてしまいましたね」 「あは、あはは」 最初はやる気のかけらもなかったしねとは心の中で詫びる。 「でも覚えてたんですね、遼さん。外で授業しようって」 「まぁ、一応ですけど。言ったものの中々その機会もなく今頃になってですがね」 「じゃあ、今日は何を教えてくれるのですかか?」 「何もないですよ」 「は?」 「最後ですしね。何かを叩き込むのもいいかと思いましたが、ゆっくり話せる機会もなさそうですから」 「遼さん…忙しいのにいいの?」 「今日までと言う約束ですから」 嬉しかった。 授業かもしれないが、こうして張遼と一緒にいることが。 明日からはそれすらもないのだから。 特に何をするわけでもなく、二人で並んでそこらを歩いた。 デートに見えるかな? はそう思い、笑う。 何が可笑しいのですか?って聴かれても内緒だと答える。 そんな事聴いたら、張遼は簡単にくだらないと切り捨てるかもしれないし。 張遼はなんとも思ってなくとも、別にいいし。 「遼さん」 「はい?」 は立ち止まる。 張遼は数歩先を歩いていたので、振り返る。 「今日まで色々教えてくださりありがとうございました」 そう言っては頭を下げる。 「いえ、そんなにかしこまらなくても。あなたにそんな事をされると調子が狂いますな」 「もう!人が真面目に言ってるのに!」 「ははは。それは申し訳ない…殿、私の方こそ楽しかったですよ」 「…良かった」 「あぁ、そうだ。今後はどうしますか?誰か教わりたい方がいるのでしたら私から頼んでみますが」 新しい先生? 「私は張コウ殿などが適任かと思いますがね。あなたとの相性も良さそうですし」 「私は、遼さんがいいです」 確かにここの武将たちは文武両道な人たちばかりでに教えるぐらい問題はないだろう。 気のあう人なら楽しいし、やりやすいだろう。 でもは。 「遼さんがいいです…」 「嬉しい事を言ってくれますね、でもそれは無理ですぞ?」 「そうじゃなくて、私は遼さん以外の先生なんていらないです。これからは自分で頑張りますから」 「そうですか、頑張ってくだされ」 張遼はの前に立って、彼女の頭を優しく撫でた。 「では、私からの最後の教えです」 「?」 「学びて時にこれを習う亦た説ばしからずや。 覚えておくとよいですよ、孔子の学問に対する考え方なのですがね」 「へぇ」 「学んだことは、折にふれて時々復習すれば、より確実に奥深いものになっていく。 これが、学問の喜びではないだろうか。と言う論語の冒頭の一句です。 ただ知識を学んだだけではだめで、それを何度も復習することによって、初めて体得することができる。そこまでやってこそ学問の価値がある。ってことですよ」 「はい、頑張ります!」 「いい返事ですね」 巣立ちって言うのかな〜と今、張遼は思った。 生徒が一人卒業してしまうみたいな気分だ。 本当は自分の方が別の場所へ向かうのだが。 「遼さんも合肥行って無茶しないでくださいよ?」 「無茶などしませんよ」 「病気とか怪我とかなく……早く、戦なんて終わって戻ってきてほしいです」 「そうですね。早く終わると良いですね」 張遼はそう言って笑ってくれた。 行きと同じように、張遼の馬に跨る。 特に会話などしないが、城に着いたらもう終わりかと思うと寂しかった。 そんな速度は速くないのに、あっという間に時間が過ぎていく気がする。 何か言わないと、何かをと思うが、言葉が出ず黙ったままだ。 あ、城が見えてきた。 見慣れたものが目に入ったら、胸がきゅうっとなった。 目頭が熱くなる。 (やば、涙出ちゃう) 目を瞑って少し顔を下げる。 「どうかしましたか?殿?」 「……なんでもないです」 は横に首を振る。 こんな所で泣いたら張遼が困るじゃないかと思う。 頑張るって決めたじゃないか。 ぐっと堪える。 あと少しだから、あと少し我慢をしよう。 城に到着し、厩舎まで行くかと思ったが、ちょうど夏侯惇と出会った。 「早いじゃないか、随分」 「そうですか?あぁ、殿。ここで降りた方がよいでしょう」 そう言われたので夏侯惇の手を借りて馬から降りた。 「私は馬を戻してきますので、では」 「はい、ありがとうございました」 は馬上の張遼に向かってニコッと笑う。 張遼の後姿をしばらく見送っただが、隣の夏侯惇は口をへの字にして面白く無さそうだ。 「お前、また我慢したな」 「…わかる?」 「まったく……奴を困らせたくない気持ちはわかるが、見ていて痛々しいぞ」 「そっかな」 あっけなく最後の授業が終わってしまった。 ただ一日が過ぎたのと同じなのかな? 「偉いでしょ?私」 「どこがが阿呆」 「ひどい、惇兄」 傍から見たら、自分はどう見えるのかな? 夏侯惇が言ったみたいに痛々しい?いい子でいすぎる? 「だって、目の前で泣いたら遼さん困っちゃうもん」 「困らせてやればいい」 「そんなの私が嫌」 「損をするのはお前だぞ」 損。 確かにそうかもしれない。 自分の気持ちに嘘をついて、今度張遼に会うときまでにいい女になってやる!なんて言ってはみたが、好きって気持ちを押さえ込んで、相手に何も伝えないから。 今まで軽く簡単にそれらしいこと言っていたのに、マジになったら怖くなった。 振られたらとでも思うと。 今までが、そういう対象として見てもらえなかったから、怖いんだ。 「馬鹿だね、私。ホント、馬鹿だ…」 「」 「振られるの怖いんだ。だからいい子でいようとしたんだ」 は大きく息を吐き軽く両手で自分の頬を叩く。 「馬鹿だなぁ」 言ったそばから、すーっと零れる涙。 「最近、涙腺ゆるいなぁ。こんなことでも泣いてさ。遼さん行っちゃうの見たら大泣きしちゃうなぁ」 「そうか…ほら、行くぞ。いつまでもここで泣いていたら他の者に見られるぞ」 「うん」 夏侯惇はの肩を抱いて歩き出す。 も涙を拭う。 二人が去った場所から少し離れた所で張遼は見ていた。 厩舎に馬を戻した後、夏侯惇とはまだいて何か話しているようだった。 声をかけようとしたら、が泣いていたので驚いた。 二人の会話は聞こえなかったが、自分の所為か?と少し思った。 帰り道でもは少し変だったし、夏侯惇は意味ありげな言葉を夕べ残していったし。 少なくとも、は自分が合肥へ行く事を寂しがってくれているのかな。 寂しがる…と言うか。 本当のところ、あまり考えないようにしていた。 の教師役を引き受けるようになってから、が自分に好意を向けているのは気づいていた。 でも、それは冗談にも見えるような行動や言動だし、まだ子どもと思ってはぐらかしていた。 でも、いつぐらいからか、少しずつその行動に変化が見えていた。 授業も真面目に取り組むようになったし、いいことだと思っていたのだが。 ふとした時に見せる寂しそうな顔。 のことは嫌いではない。 物を教える事も嫌いではなかった。 不安だった最初と違って、何を教えようかって考えるようになっていたし。 ただ、どうしていいのかわからないのだ。 「情けない…」 最初の頃みたいに、何も言ってこないから。 だから、自分からはどうもできないのかもしれない。 *** それから毎日、張遼に会うこともなく過ぎていく。 いつ頃向こうに行くのかと夏侯惇に聴けば、「さぁな」としか帰ってこない。 曹操が、張遼のために宴を開くとか言ったが、。張遼はそれを断った。 特になにもせずに、いつも通りでいいのだと言う。 向こうへ出発する日も別に普段どおりに出るからいいのだと。 つまり、あの日で本当に最後らしい。 「……と、これでいいかな?」 小さな巾着を作ってみた。 裁縫はあまり得意ではないけれど、自分で最後まで作りたくて。 甄姫に菊枕のことをもう一度聴きに言った。 時間的に枕は無理だけど、それに似たものならば作れないかな?と思って。 「もうすぐ教えてもらった重陽の節句だもんね。約束したし」 来年の重陽の節句には張遼に菊枕を作ってあげるって。 余裕がなくて枕ではなくポプリ程度になってしまったが。 「ここをこうして…でーきた!」 キュッと結びを閉める。 「おぉ〜中々可愛いじゃん。あとはどうやって遼さんに渡そうかな?」 忙しいから、行って邪魔になるのは嫌だし。 夏侯惇にでも頼もうか? 「」 「ん?惇兄?」 夏候惇が入ってきた。 「何してんだ?お前」 「ん〜?菊を使ってちょっとね。遼さんにあげようかなって思って。何も御礼もできなかったし」 「そうか…その張遼だが、出発したぞ」 「え!もう?」 はそれを聴いて肩を落とす。 「間に合わなかったぁ…」 「お前な…」 また泣くか?と少し心配してしまう。 だが、はえへへと笑う。 「もっと早くにやれば良かったんだけどね、要領悪いなぁ、私ってば」 笑っているが、力なくて、泣く一歩前の顔をしている。 夏侯惇はの額をぺちっと軽く叩いた。 「痛っ!なにすんの惇兄!」 「お前、馬鹿か?追いかけようとは思わんのか?」 「え…だって」 「今ならまだ追いつくぞ。あいつだってそんなに急いで向かったわけではないだろうし」 「追いつくかな?」 「俺が連れて行ってやる。だから、それをちゃんと渡して正直に言え」 「……うん」 気持ちを伝える事はちょっとできないかもしれないけど、でもこれだけは渡したい。 そう思った。 「はや、早いってば!惇兄!こわい、こわい、怖い!」 「喋るな!舌をかむぞ」 夏侯惇が連れて行ってくれると言うから、彼に掴まって馬に乗ったものの、すごく速い速度だったので怖い。 張遼はそんなに急いで行ってないのだろ? でも夏侯惇は馬を飛ばす。 これは本当にしっかり掴まっていないと落ちる、怪我する、悪ければあの世行きだ。 「追いついたな…張遼!」 「…ん?」 配下の者数名を連れて馬を走らせていたら、後ろから一頭の馬が突っ込んでくる。 しかも自分の名を呼ぶし。 「あれは夏侯将軍ではないですか?」 「本当ですね。何かあったのでしょうか?」 将軍自らすっ飛んでくるので、配下の者は何事かと心配になる。 とりあえず馬を止め、彼が来るのを待つ。 「どぅ……追いついたな。悪い、呼び止めた」 よぉ!といつもみたいに気軽に挨拶する感じの夏侯惇。 「悪いと思ってないでしょう?」 「あぁ」 「何用ですか?」 「届け物だ」 「は?」 「、ほれ……ん?どうした?」 ギュウッと夏侯惇の腰に手を回したままの。 「殿?」 「どうした?張遼に追いついたぞ?」 「こ」 「こ?」 「怖いって言ったじゃん!死ぬかと思った、惇兄の馬鹿!」 馬に乗るなんてこの前が初めてだったし、乗せてくれた張遼はゆっくり走らせてくれた。 けど、張遼を追いかけるためとは言え、今回のは怖かった。 何も考える余裕がなくて。 「そうか?」 「何をしていたのですか?あなた方は」 張遼は呆れている。 「とりあえず、降りれるか?」 「う、うん」 馬から降りて、服をパンパンとはらう。 「あー怖かった……」 「よし、お前たちは少し俺に付き合え」 「は?」 「いいから来い。張遼、少ししたら戻るからな」 「はぁ」 夏侯惇は配下の者を連れて行ってしまう。 残された二人。 張遼はとりあえず、馬から降りる。 「私に用なのですか?」 「う、うん…あの、ですね………これ、渡そうと思って」 「なんですかな?」 は小さな巾着袋を張遼に渡す。 「ほら、去年、重陽の節句について教えてもらったじゃないですか、その時遼さんに菊枕あげるって」 「あぁ、ありましたね」 「枕は時間的に無理だったけど、これくらいならできるかな?って……菊って色々な効果あるんでしたよね?それで、枕元にでも置いてくれればなと。何もお礼できなかったし」 は顔を下に向けて指を絡めている。 「お礼だなんていいのですよ、別に。でも、これはありがたくいただきますね。ありがとう、殿」 「良かった、へっ、ちょっと不恰好で格好悪いけどね」 自分で縫ったからとは笑う。 「それだけ、だから……それ渡したくて。惇兄が馬出してくれて」 「殿」 「渡すだけなのに、惇兄ってば他の人連れて行っちゃうし」 「殿」 「早く出発した方がいいですよね。色々予定だってあるだろうし」 「殿」 「ホント、気をつけてくださいね」 「殿、泣かないでくだされ」 「な、泣いてなんか…いないっす…」 ずっと顔をあわせずに俯いたままで、でも涙が零れて地面に落ちている。 「先日も泣いてましたね、あなたは」 「あ、あれは…」 見られていたか。 「泣き顔のまま見送られるのは辛いですよ。笑ってくださいませんか?」 張遼はの頬に触れて顔を上げさせる。 ぼろぼろ零れる涙に苦笑してしまう。 「だって、だって」 泣かないって決めたのに、これ渡したら笑顔で手を振ろうって決めてたのに。 我慢してたのに、我慢できなくなった。 「だって、遼さん行っちゃうの嫌だもん!」 「殿…」 「行ってほしくない、合肥なんかに。でも決まったことだから我が侭言うの嫌だったし。 最後まで遼さんの前でいい子でいようって、我慢してたのに」 子どもみたいにわんわん泣いてしまう。 もうここまで来たら我慢するものか! 相手の気持ちなんかお構いナシだ、言ってしまえ! 「遼さんと離れるの嫌だし、家庭教師も遼さんじゃなきゃ嫌で、遼さんと、遼さんと」 もっといっぱい一緒にいたいです。 「遼さんのこと好きだもん!子ども扱いされてもしょうがないけど、好きなんだから」 はっきりここまで言われて張遼の顔が一気に赤く染まった。 思わず右手で口元を覆ってしまう。 それでもは泣き止まず、終いには 「孟徳様の馬鹿!阿呆!女たらしーーーー」 って叫んでいた。 確かに人事の決定は曹操だけど……。 ようやく泣き止み大人しくなったに、張遼は涙を手巾で拭いてあげる。 「本当、子どもですね」 「す、すびばせん…」 「でも、嬉しかったですよ」 「え!?」 「最近のあなたは大人しくてつまらなかったので」 「……(そっちかよ)」 「もう少し大人になったら考えてあげますよ」 「むぅ」 結局、それかよ。 でもすっきりした。 勢いとは言えパーッと言えたから。 「それと、私が合肥から戻るまでにちゃんと勉強していてくださいね」 「しますよぉ」 「絶対ですよ?私はあなたの教師ですからね。最後まで面倒見ますから」 「……本当ですか?」 「嘘はつきませんよ」 しばらくして夏侯惇たちが戻ってきた。 の顔がすごく晴れ晴れしていたので、上手くいったのか?と夏侯惇は思った。 再び騎乗した張遼。 「わざわざありがとうございました、殿。夏侯惇殿も再び会えるのを楽しみにしていますぞ」 「はい」 「おぉ」 「あぁ、それと」 「?」 「張コウ殿に私から殿への贈物を渡してあるので後で受け取ってくださいね」 「贈物?……」 贈物と聞いて口元が緩む。 「では、行きますか……はっ!」 配下の者を連れて張遼は馬を走らせた。 「贈物だって、惇兄」 「あぁ良かったな」 「よし!次の遼さんと会うまでに大人のいい女になってやる」 「……そんなグズグズの顔で言われても説得力ないぞ、」 「ぐっ」 さて、城に戻ったは急いで張コウのもとへ行った。 面白そうなので夏侯惇もついていく。 「えぇ、お預りしていますよ。張遼殿から、少々お待ちくださいね」 「うわっうわっなんだろう〜」 張コウは部下に頼んで持って来させる。 ドスン 「ドスン?」 張コウの部下が卓の上に箱を置いた。 「これが張遼殿からのへの贈物ですよ」 「あ、開けてもいい?」 「もちろん、あなたへですからね」 「…なんかアイツらしいものの気がするな…」 箱の大きさ、重さから見て呟く夏侯惇。 は、着物かな?とか色々夢見てるようだか。 蓋をとると…。 「……本?……なにこれ……」 数冊の分厚い書物に、紐でくくられた紙の束。 夏侯惇は一冊の書物を手に取る。 「…孔子だな」 「孔子の論語に荘子ですねぇ……つまり勉強しろと」 夏候惇はやはりと思い、張コウは小さく笑った。 「りょ、りょ、遼さん〜?」 「あ、ほれ。アイツお手製の問題集だ。良かったなぁ毎日ちゃんと勉強できるな」 箱いっぱいに詰まっていたのはへの課題だったようだ。 「酷い、遼さん!もう、遼さんの馬鹿、馬鹿、バカー」 だって、張遼はの先生ですから。 最後まで面倒見るって言ってくれたのですから、ちゃんと勉強しましょうね、さん。 そして、数年後にはまたいつもの風景が見られるようになった。 「まったく、あなたはしょうがないですね!」 「だって、だって〜今日はここまでにして遊びませんか?」 「却下です」 「えー」 「嫌なら、私はやめますけどね、明日からは曹仁殿にでも頼みますかね」 「やります!やりますから〜」 半泣き状態で課題をやるを見て、張遼は笑ったのでした。 まぁ、そんなものさw
補足するなら、遼さんが合肥に行くも、三國統一はなされて、再び戻ってきて家庭教師に再就任ってところですな。
04/09/07
13/04/26再UP
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