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「それでね、昨日も岱君に怒られてた。もうダメだよね、馬超ってば」 「しょうがないですね、馬超殿は」 二人して笑ってしまう。 とは言っても趙雲の場合は隣の少女の笑顔に釣られて笑ってしまう。が正しい。 話の内容がさほど面白いわけではない。 寧ろ同僚のどうしようもない姿の話なわけだし。 「おかげで約束していた遠乗りが延期になっちゃった」 「それは…」 「ま。最初から期待はしていないよ?私は最初にちゃんと仕事してからでいいよって言ったんだから」 それを適当に頷いた馬超が悪いと言い切った。 笑っているけど、本当は寂しいとか思っていないだろうか? 「あの殿…」 「あ。趙雲に心配かけちゃった?別にいつものことだよ?」 自分はに同情的な顔でもしていたのだろうか? 「いつものことで悪かったなー」 「わ!馬超!?」 の背後からスッと姿を現した馬超。 ニタニタ笑っての髪をくしゃくしゃに撫でる。 「ひどーい!だって本当のことじゃんか!」 異を唱えるに馬超はそうだったか?としらばっくれる。 「まぁまぁお二人とも」 趙雲が二人を宥める。 「お前もな、趙雲」 「はい?」 「こいつの面倒ばっか見てんなよ。いつもお前が甘やかすから大変なんだよ」 話の矛先が趙雲に向けられた。 「わ、私は別に」 「そうだよ!何、その甘やかしてるって!失礼ね!」 両側から喚かれてしまうと趙雲も困る。 困るが、本気で困っていない。 いつもの事かと思えるから。 だけど、最近いつもの事でも少し戸惑う気持ちが湧く。 「いい加減趙雲から卒業しろよな」 「それは馬超も同じでしょ?馬超の方が趙雲にいっぱい迷惑をかけているくせにー!」 二人のやり取りに、いつもならば割って入り宥めるものの。 最近は戸惑う為にそれができずにいる。 なんとなく思うんだ。 これはこれで、二人にとっては楽しいやり取りで。 返って自分が居る方じゃ邪魔なんではなかろうか?と。 は自分に話しかけてくるのも、本当は馬超が忙しくて不在だったからとか。 変に卑屈に感じてしまう。 (そんなに度量の狭い男だっただろうか?私は…) そもそもなんでそんな風に考えてしまうのか? それは…多分。 自分が、に…。 「「趙雲!!」」 「は、はい!?」 はたと我に返ると二人が物凄い形相で趙雲を見ていた。 「お前、話聞いてたか!?」 「え?」 「馬超ってば酷いんだよ!ねぇ、趙雲からも言ってやってよ!」 「あ…えと…」 二人に迫られて趙雲は後ずさりしてしまう。 「その…よ、用事を思い出したので、私はこれで!」 趙雲は二人に背中を向けて逃げ出した。 「おい!待て!!」 「趙雲ってば!ずるいー!!」 逃げるものの二人は追いかけてくる。 さて、これからどうしよう。 けど、不思議とさっきの戸惑いが消えた。 口角が緩む。 子どもみたいなやり取り、馬鹿騒ぎ。 三人で居るのはやっぱり嫌いじゃない。 だから、まだ当分は…。 【気が付きたくないこと。】 お題で趙雲。
10/05/01
13/01/03再UP
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