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「ねぇねぇ。ほんっとうに、本当に希望する隊ないの?」 「くどい。特にない」 甘味処で死神の少女と霊術院生の少年がいた。 「じゃあ、ウチでいいじゃん!十一「断る」 間髪入れてきた返事に、少女の顔が膨れる。 「希望する隊ないって言ったじゃん。だったら逆にどこだって良いってことでしょ?」 「ああ。悪かった。俺のこと知らない隊希望」 「そんなのないよー!」 「じゃあ無理だな」 なにせ彼は有名なのだから。 「ほら。食わないと溶けるぞアイス」 注文したのは特大抹茶パフェ。 特大など、中々注文されることはないので、ちょっとした他の客からの見世物状態だ。 「食べるけど……」 つれない少年の態度が面白くなかった。 【照れ笑い】 少女は護廷十三隊、十一番隊副隊長草鹿やちる。 少年は死神ではない、一介の学生檜佐木。 やちるが非番であったので、を誘ってみた。 お互い甘味が好きなので、ゆっくり話せる場所でもあると選んだ甘味処。 ゆっくり話したい理由は様々だが、今日はちょっとした使命もあったので誰にも邪魔はされたくない。 「ね、本当に6年きっちり通うの?」 「前にも言ったろ?色々学べて楽しいからな」 「実戦で学べるものもあると思うけど」 「そうだな。実戦は大事だな。でも、それは死神になったらいくらでも可能だから急ぐ気はない」 死神になれば特に、時間などあまり関係ない。 「そうだけど〜勿体無いよーはすぐにでも十三隊入れる成績なのに」 「……俺、やちるに成績の話したか?」 の食べている手が止まった。 やちるの顔をじっと見る。 見るというより睨むに近い。 「あ。え、えっとねぇ…シロちゃんに教えてもらった…っていうか見せてもらった」 「………」 「ごめん!だって、中々中のこと教えてくれないんだもん」 「教えてもしょうがないだろ?自分の成績なんて…一人が知っていれば問題ないしな」 の言う一人とは、彼の義父だろう。 一応保護者にはちゃんとその手の話が伝わっているらしい。 ちなみに日番谷がなぜ知っているかというと、彼は霊術院の講師を度々務めているから把握しているのだろう。 「あたしは別として、先生たちから言われない?もうすでに入隊案内とか来ていない?」 「2年位前には来たし、言われた。でもちゃんと断った。先生方も理由を話したらわかってくれたし」 の周りでうろちょろしているのは現役死神たちだけだ。 霊術院は6年で卒業と決まっている。中には卒業前にその実力から引き抜かれる者や 十三隊などに入隊が決まっている者なども現れる。 の義父修兵も卒業前に入隊が決定していた成績優秀者だ。しかも副隊長になるまでにそう時間もかからなかったという。 は現在、5回生。 成績はかなり上位のようだ。 それで、自分の所に欲しいと願っている隊ばかりなのだ。 彼の幼少時から知ってる者たちが大半の隊長・副隊長格。 「うちに来いよ!」みたいなノリで誘ってくる。 やちるもその一人だ。 できれば自分が所属している十一番隊に所属してもらいたい。 「なんでそんなにウチを拒むかなー」 やちるとは対照的にパクパクと同じペースで特大抹茶パフェを食べている。 「そりゃ、あれだ。幼い頃の仕打ちの所為だな。俺は十一番隊とは関わりたくないんだ」 「そ、そんなにはっきり言わなくてもいいじゃない…」 ますます膨らむやちるの頬。 「じゃあ…せめて希望の隊ぐらい教えてよー」 「あのさ。教えた所で俺の希望が通るわけ?あっちが勝手に決めるんだろ?」 配属先を新人が決められるものなんてない。 まして、まだ護廷隊に配属されるかもわからないのに。 「そうだけどー一応だよ、一応」 「隊の雰囲気などからなら…やっぱシロさんの十三番隊がいいよな」 昔から浮竹びいきである。 その答えは当然出てくるとやちるにもわかっている。 「けど、無理だな。いまだに会うとガキ扱いされるんで、俺あそこじゃ成長しなさそう」 「あぁ〜ウッキーから見ればあたしたちなんてまだまだ子どもなんだろうね」 他には?とやちるに訊ねられる。 は各隊の雰囲気、隊長副隊長を思い浮かべては消していく。 「無難に七、八番隊だな」 「えー意外。シロちゃんとこじゃないんだ。十番隊」 乱菊もいるのでそこを選びそうだと思った。 今のでは乱菊の大人の色気にやられてしまいそうなので名前が出なかったのは、やちるにとっては安堵するのだが。 「友だちが隊長だと、ちょっとな」 向こうもやりづらいだろうに。 まあ日番谷が隊長に就いてからもう長いこと経っているので分別はちゃんと着くだろうが。 「なんか、気恥ずかしい」 「じゃあ九番隊なんて…」 「絶対嫌だ。修兵が引退したらいいけどな」 「まだまだ現役だよ、修ちゃん」 九番隊に配属されるならまだ十番隊の方がましだ。 「もうどこに配属されても。見知った人たちばかりで嫌だな」 「なんでそんなに嫌がるの?」 いつの間にかはパフェを食べ終えていた。 あの量を食べきるとは、甘いものが苦手な人が見たら胸焼けしてしまうだろう。 は椅子にもたれる。 少しだけ、つまらなさそうに目をそらし。 「?」 「みんなさ…俺のこと特別扱いするから嫌なんだ」 「みんなって、ウッキーとかレンレンとか?」 のことを息子や弟みたいに可愛がっている人たち。 だがは違うという。 「学院の奴らだよ。修兵の息子ってだけであれこれ比べられてさ…好き勝手言うんだ」 すでに護廷隊への入隊がコネで決まっているだのなんだと。 ただのやっかみであるのだろうが。 確かに浮竹や日番谷の隊に配属されて甘やかされるということにはならないとは思っている。 死神は誰にでもなれるものではないし、簡単なものではない。 「俺の力は関係ないみたいでさ…」 「だったら!」 やちるはパンと手を叩いた。 「やっぱりウチに来るべきだよ!ウチは実力重視なんだから!強いものが上に行く。それだけだよ!」 鬼道が使えずとも、己の腕一本で成り上がることができる。 「…俺、鬼道得意だし」 「うっ…」 だがは笑う。 「ありがとな、やちる」 礼を述べるも、顔は背けてしまう。 「でもやっぱり十一番隊は嫌だ…やちるが副隊長だし」 「え…」 そこまで嫌われているのか十一番隊は。しかも、自分が副隊長であるのが嫌なようなことを言う。 やちるは頭を垂れてしまう。 「カッコ悪いじゃん。やちるの方が長く死神やっているとはいえ、俺の方が下っ端なんてさ」 「え?」 顔をあげるとはいまだに別方向に目を向けている。 だがよく見ると薄っすらとその頬が赤くなっている。 「好きな女の方が強いってカッコ悪いよな、本当」 ボソッと呟く。 「え?なに?なに?。今、なんて言ったの?」 「………」 なんだかとても嬉しいことを言われたような気がする。 やちるは身を乗り出しになんとかもう一度言わせようとするがは答えない。 それどころか。 「食ったから、そろそろ店出るか」 「え!?あたし、まだ全部食べてないよ!」 「じゃあ食ってれば?会計は済ませといてやるから」 は席を立ってしまう。 「えー!の意地悪ー」 やちるの言葉など耳も貸さずはさっさと会計を済ませて店を出てしまう。 まだ食べたりないものの、置いて行かれるのも嫌なのでやちるも慌てて店を出る。 「ー!まってよぉ〜」 「のわっ!」 の腕に抱きつく。 は体が傾き倒れそうになるがなんとか堪える。 「危ないだろ。やちる」 「えへへ。ごめんね」 「………」 笑顔を向けるやちるにはしょうがないと苦笑する。 「やちるは本当昔から変わらないな」 「そうかな?」 「そうだよ。初めて会った時から、俺に向けてくる顔いつも笑顔でさ」 「……だって」 と居ると自然と笑顔になる。 それはが自分にも笑みを向けてくれるから。 一番多いのは照れ笑いかもしれない。 でも、そんな顔も好きだ。 「好きな子に笑顔を見て欲しいからだよ」 「………」 言った後にお互い気恥ずかしくなり顔が赤く染まる。 は空いている左手で後頭部を掻きながら呟く。 「やっぱり十一番隊には配属されたくないな…」 「えー!?なんでよー!」 今ここで言うことか? 不満たらたらのやちるは非難の目をに向ける。 「……決まっているじゃん。更木隊長が怖いからだ」 と溜め息を漏らした。 それにはやちるも流石に苦笑するしかなかった。 「君だから。」の後日。両片想いというより、両想いに近い感じw
08/03/11UP
12/07/16再UP
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