手紙




ドリーム小説
浮竹さん 元気ですか?
尸魂界から帰ってきて
のんびり家で過ごしたと
思ったら、もう新学期が
始まりました。
久しぶりに友だちに会え
るのは嬉しいけど
黒崎たちに会うのはなん
か不思議な感じです。



「えーと、それから…」

は休み時間、一人で携帯を弄っていた。
ほんの少し前の出来事が嘘のように静かだった。
夏休みの間に起こった出来事。
出会った人たち。
再会できた人でもあり、自分にとってとても大切な人。

ちゃん、何してんの?」

織姫がの前の席に座り話しかけてきた。

「んーメール」

「メール?誰に」

「誰だろうね」

「え?」

「なんて、えへへ〜内緒」



昨日は転校生がきました
。男の子です。中々面白
い人みたいです。
朽木さんが来た時は、仲
良しになるぞ!って意気
込んだよなぁっての思い
出しました。また新しい
友だちができたらいいな
って思ってます。



「仲良くなれんとちゃう?」

の顔を覗きこむように話に割り込んできた男子。
今、メールに打ちこんだ転校生だ。

「うわっ!え、えっと平子君だよね?」

「織姫チャンといいチャンといい、もう覚えてくれたん?」

ちゃっかりの両肩に手を乗せる平子。

「オレ嬉しいわ〜」

「あ、あのね、平子君」

は平子の手を払う。

チャン、昨日の放課後もそない顔してメールしとったやろ?」

「え…昨日…見てたの?」

「見とったよ〜彼氏にメール?にしてはちょっと寂しそうやなぁって」

「…彼氏ねぇ」

一日に何度書いたであろうメール。
昨日確かに放課後やっていた。
でも、教室ではなく図書室の閲覧室で一人。
誰かが見てるとは思わなかった。

「彼氏へのメールならもっと楽しそうにせなあかんよ?あれ、もしかしてなんか訳あり?」

「………」

黙るに平子が少し焦る。

「あ、あれ!?怒った?余計なこと言ってもうた?堪忍してや〜」

女の子に嫌われとうないねん!と平子が騒ぐ。

「ううん。怒ってないよ。寧ろ…うん、ありがと。確かにそうだね、楽しそうにすべきだよね」

はニッコリ笑う。

「ちょっと沈んでたかも。よし、これからは楽しみながらやろうっと」

「相手誰なん?オレめっちゃ気になるわ」

「またまた〜織姫にもちょっかい出してた癖に」

「嫌やなぁ、ちょっかいやなんて」



転校生君は人様のメール
を覗き見するような人だ
とわかりました。要注意
です。



「あー酷いわ、ちゃん。オレのこと要注意やなんて〜」

「やっぱ見てるじゃん、内容!」

「わ、見たんやなくて、見えてしまったんや〜チャン怒らんといて〜」

平子は大袈裟に逃げていく。

「もう〜でも、なんかあんま怒れない人だな、平子君って」

「面白い人だよね」

織姫はくすくすと笑う。

「ね、ちゃん。メールの相手って向こうの人でしょ?」

「………うん」

「浮竹さんだ」

「でも、浮竹さんには届いてないよ、これ」

「え、そうなの?」

「浮竹さんとメアド交換なんてしてないよ、私」

それ以前に携帯電話を尸魂界には持って行ってない。
持っていたとしても、最初に雨乾堂の池に落ちてしまったのできっと使い物にならなくなっただろう。
あと、浮竹が持っている感じはしない。
死神たちに支給されるそれっぽいものはあるようだが。

「私の自己満足。浮竹さんに話しかけている時みたいにさ、こうやってメールしてるだけ」

だから送信先はない。
保存して終わり。

ちゃん、もう大丈夫?」

「あれ、私なんか変だった?」

「そうじゃないけど……あの日。ちゃんが浮竹さんと出かけて帰ってきた晩、ちゃん泣いてたから」

「……織姫に気づかれるとは」

「えー最近のあたしの女の勘は冴え渡っているのよ!」

「何、それ」

は少し呆れた顔をするが、織姫は至って真剣で。
は織姫から少し目線をそらす。

「あ、あのさ。織姫…」

「なに?」

「怒ってない?あ、怒ると言うより呆れてない?」

「なんで?」

キョトンとする織姫。

「尸魂界に何しに行ったんだーって思わない?」

「そうかな?だって当初の目的はちゃんと果たされたわけだし、いいんじゃないのかな?」

「………」

「あたしはちゃんを応援するよ!それにちゃんだけじゃないもん、あたしも向こうに何しに行ったのかなって思ったし」

「織姫は私より役に立ってた」

「でも」

「止めた」

「え?」

は軽く息を吐く。

「私、役に立ったとかって事、向こうで沢山悩んだんだよね。でも浮竹さんに言われて納得したわけだし」

「浮竹さんに?」

「自分では役立たずとか思っても、周りはそうは思っていないって。誰かの為に何かをしていたって」

あの時、溜め込んでいた気持ちを全部吐いた時、浮竹は言ってくれた。

『何もしていないなんてことない。君は、十分誰かの為に何かをしている』

だから、気持ちがスッと楽になった。
嬉しかった。

「織姫も同じだよ。誰かの為に何かをしていた。きっとね」

ちゃん」

「だから、織姫。深く考えるのよそう。きっとまだ色々あるだろうし」

「うん」

そこで授業開始のチャイムが鳴った。

「あ。あたし席に戻るね」

「うん」

他の生徒たちも席に着く。
は教師が来る前にとメールの内容を保存し携帯電話をしまう。
ドアが開き、担任の越智が入ってきた。

「起立」



とりあえず。浮竹さんが
心配するようなこともな
く、私は元気でやってい
ます。



今日の浮竹へのメールはここまで。
また明日、何か報告するようなことは起こるのかな?








番外編でした。
06/05/16
12/05/05再UP