ぴたりと。




ドリーム小説
なんで、この人かなと最近特に思う。

「遼さん、本当嬉しそうねぇ」

ご自慢の得物を手入れしている張遼。
その彼の室。寝台に寝転んで見ているのは

「嬉しそうとは?別に手入れをしているだけですがね」

「じゃあ、言葉を変えるね。最近楽しそうねぇ」

「楽しい…ですか?まあ、それなりに」

「えー!それなりって程度じゃないでしょー」

「そう言われましてもね。いまだ二つの世界が融合して大変な時に楽しいとか言っておられんでしょう」

そこだよ!とはビシっと張遼を指差す。
人様に対して失礼だから降ろしなさいと張遼に軽く小言を言われる。
は言われたとおりすぐに指を下ろすが、張遼は意味がわかっていないと彼女頬を膨らます。

「二つの世界が融合して、大変だけども、結構楽しんでいるよねって話」

「不謹慎なことを言われますな、殿」

「だって、本当のことだもーん」

もーんとごろりと転がる
ある時、遠呂智と名乗る者がこの世界と、遠い時代を超えて戦国の世を融合させ新しい世界を作った。
曹魏も遠呂智に対抗するも、遠呂智の勢いが強く、戦に破れ曹操が行方知れずになってしまう。
曹操の後を息子の曹丕が継ぎ纏めあげるのだが、遠呂智に対抗するどころか同盟を結び、
夏侯惇など多くの武将が離れてしまって、それはもう大変だった。
張遼は曹丕のもとにずっと付き従っていた。

それも最初だけの話で、曹丕は勢力関係なく仲間をどんどん増やし、最後は遠呂智に反旗を翻した。
他にもいた反遠呂智勢力と手を結び、曹操も戻ってきた新生曹魏は見事に遠呂智を倒したのだが。
わずか一月で遠呂智は復活し、ついこの間まで戦いが行われていた。
今度は遠呂智が元々封じられていた仙界の仙人たちの力を借りて二度と復活しないように倒した。

遠呂智を倒しても、結果世界は融合されたまま。
このままここは新しい世界として独立してしまったようだ。
三國でも天下統一を。だった世界なのに、別の世界のものたちと争うようなことがと危惧されたが。
いつまた遠呂智のようなものが現れるとも限らない。
各国手を結び、今は世界の復興に力を入れている状態だ。

「そのような時に楽しむなどとは失礼ですな」

「ふーん。そうかなー。色んな武人さんたちと毎日手合わせして楽しんでいるように見えますがー」

「互いに鍛えているのですよ」

それが楽しんでいると言うのに。

「………」

「なんですか、その目は」

信じていないと張遼にもわかる。

「真田幸村、前田利家、島左近、柴田勝家…あ、本多忠勝?それ以外にも関羽さんとか趙雲さんとか」

は指折り数えていく。

殿」

「武芸バカだよね、遼さんも」

「…も。と言いますのは」

「徐晃さんもそうじゃん。修行の旅に出ちゃうくらいだもん。そこで宮本武蔵と意気投合なんて徐晃さんくらいだよ」

彼もまた天下無双の剣を極めるとかなんとか暑苦しいことを言っていた。

「この世界って武芸バカの集まりだよね、本当」

「何を拗ねているのですか?あなたは」

「拗ねていませんよ、別に。自分に呆れているだけだよ」

おっと思わず口が滑った。
張遼は得物を片づけ、寝台へと腰掛ける。
はぷいっと顔を背ける。

「何に呆れておいでか?」

「……知らない」

呆れていること。
そんな武芸バカに惚れてしまっていることだろう。
何でこの男に惚れたのだろうと最近特に思うのだ。
人のことを笑顔で騙して楽しんでいる男だぞ?
自分も数え切れないほどその餌食になったというのに。
マゾ?マゾなんか、自分はと衝撃を受けたこともある。

かと思えば、クソ真面目な面も持ち合わせており、礼儀などには口煩い。
小言を貰う回数も多い。
あれ、やっぱりマゾじゃないか、自分。

張遼とは年の差もある。
大人の魅力とやらに惑わされたのだろうか?
思えば、自分の周りには大人ばかりだったというものあるが。
今なら、近い年頃の男の子たちもいるぞーと思ってみたりもするが。

(結局遼さんに勝てないんだよね…)

張遼がさらりとの髪を撫でる。

「何を考えておられるのかな?」

「なんだと思う?」

「さあ?殿ではないので私にはなんとも」

「そう?じゃあ教えてあげる。どこかに若くていい男がいないかと考えていました」

「ほう」

張遼の目がちょっと光ったような感じがする。

「私の前でそれを言いますか」

「だって遼さんは武芸に夢中で忙しいからね。優しいちゃんは身を引いてあげようかなと」

「逆に言わせてもらいますけどね。あなたのような方を、そんじょそこらのガキが相手にできると思いませんね」

そんじょそこらのガキって…。

「どうかなー真田さんとか年近いし」

「ちょっと頼りなさそうですよ、女性に関しては」

「…石田さんとは」

「子どもすぎますね、性格が」

「な、直江さんとか」

「義、義煩いですよ」

上げていく男性の名前を次々と斬り捨てていく張遼。
彼らが聞いたら本当に再起不能になりそうな気がするくらいの毒吐きぶりだ。

「なんでそこまで言うかなー。可哀相になってくるよ」

「言ったじゃないですか、そんじょそこらのガキでは相手にならないと」

「私、そんなに暴れん坊?」

「じゃじゃ馬も良いところですな。ですが、私だから殿の相手が務まるというものです」

言い切った。その自信はどこから来るのだろう。
だけど、顔がにやける。

「じゃあ、誰かが名乗り出てくれたら?」

「そんな酔狂な方がいるとは思いませんけどね。
でも、いいでしょう。二度と立ち上がらないように叩き伏せてあげますよ」

本当酷い。
それじゃあ、一生張遼から離れられないではないか。
それともあれか、張遼に飽きられるまでとか?

「私が飽きるわけないでしょう。最後までお付き合いしますよ」

「遼さん」

「毎日一緒に居ても厭きた例がないですからね」

ニッコリ笑う。
やっぱり弱い。
意地悪な張遼でも、なんだかんだでを大切にしてくれるから。

「私も遼さんと一緒は飽きないけどね」

「呆れてはいたようですが?」

「じゃあ呆れさせないでよ」

「いいでしょう。覚悟してくださいね、殿」

本当、張遼には敵わないのだ。
だがそれでもかまわない、それくらい自分は張遼にはまっているんだから。









本館、サイト開設6周年記念夢でした。でもってオロチ設定です。
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